ITエンジニアになる為のMac入門。Macをエンジニア向けに初期設定し、開発への第一歩を踏み出そう

表題にある通り、Macで初めて開発に携わろうとする人がセットアップをしておくべき、ターミナル、GitHub、VSCodeといった各ツールの初期設定を分かりやすく、コンパクトに紹介してくれているので、初心者にとっては確かに有益なプログラムであると思われる。各ツールについては、基本的な使い方をそれぞれもう少し知りたいなと思ったりもするが、これに関して不満はない。ボリュームがありすぎると初心者にとって重すぎてコンプリートできなくなってしまうので、講師なりのバランス感覚でこのくらいのボリュームにまとめられたのだろうと思っている。 ただひとつ感じたのは、全体像が見えないなかで作業を進めることとなり、最後までその全体像が分からないまま終わってしまったということ。それぞれのツールが「何のため」のものかは一応簡単には説明されていたが、全体のなかでどのように役立っていくのか、何をどこまでやれば開発を始められるのか、本当にこれでいいのかなど、いまひとつわからないまま、言われるがままにツールを入れていった感じがする。 ひとことで「エンジニア」といっても色々な領域がある。例えば、Web系なのか、ソフトウェア系なのか、機械系なのか、社内システム系なのか、人工知能系なのか、コンサル系なのか…。何の開発に携わるかやどの言語を使うかによって、導入すべきツールも変わってくる部分もあると思われる。 敢えて注文をつけるとすれば…、 ・まずこのレクチャーがどの範囲のエンジニアを主な対象者としているのかを明らかにする。 ・その範囲において初心者がステップアップしていく典型的なパターンを幾つか示す。 ・それぞれのパターンについて、近い将来に向けて、どの段階でどんなツールを使っていくことになるのか、どんなチョイスがあるのか、ざっくりとした展望、あるいはロードマップのようなものがあると助かる。 ・そのうえで「ここではその第一歩として、ほとんどの道に進む人にとって避けて通ることのできないツールである、A、B、Cのセットアップの仕方について解説していく」といった流れで、各ツールの説明にフォーカスしていけるようにする。 こんな感じの充実したイントロダクションがあれば、何の迷いや躊躇もなく受講できたのではないかと思う。 と、色々書いたけど、ターミナル、GitHub、VSCodeといった各ツールを前に、どうしていいのか分からず立ち尽くしている人にとっては、第一歩を踏み出す手引きをしてくれるプログラムであることは確かなので、自分がそうだと思う人は受講して損はないと思う。